火災保険にいう火災とは、適切な安全装置等の外にあり、自力で燃焼する力を有する火力の燃焼作用をいうとされ、火災保険とは、火災を保険事故とする損害保険をいいます(火災以外にも、落雷、爆発等の一部ないし全部を保障の対象にしていることが通常です。)1。
火災保険については、偶然性(偶発性・非故意)が問題となり、保険金の支払いを拒否されることがあります。というのも、火災が保険金請求者等の故意によって生じた場合には、保険会社は、保険金を支払う必要がありません。そこで、偶発性が問題となります。
火災が保険金請求者の故意によるか否かは、①火災が放火によるものか否か、②放火に保険金請求者が関与したか否かの2段階に分けて検討されます2。
①火災が放火によるものか否かについては、出火場所、出火態様、出火時刻、放火以外の出荷原因、助燃材の有無等を踏まえて、判断されます。
②放火に保険金請求者が関与したか否かについては、火災の客観的状況、請求者の火災発生前後の言動・行動、動機・属性、保険契約に関する事情等を踏まえて、判断されます。
例えば、平成24年12月19日岡山地方裁判所判決は、「原告は、本件建物に居住している際にも火災保険に入っていなかったにもかかわらず、人に貸すということで火災保険に入り、結局人に貸さなくなったのにそれを継続したが、保険料を支払わず、C県に帰った時点で、本件建物に居住する予定もないのに、本件契約を締結したというもので、本件契約に至る経緯は不自然という他ない」と述べています。また、平成26年9月30日なら地方裁判所葛城支部判決は、「当時ラブホテル営業を再開する目途が立たない状況にあり、火災保険に加入する必要性も以前に比べて低かったと考えられること」と述べています。
上記のとおり②「関与したか否か」が問題となるので、第三者による放火の場合にも、保険金請求者が関与したとして、火災保険金の支払いが拒否されることもあります。
例えば、令和元年10月23日水戸地方裁判所土浦支部判決は、「Aには、いわゆるアリバイがあるが、Aが、少なくとも本件放火の計画を立て、他の何者かにその実行を依頼することにより、故意に放火に関与した可能性は否定されない」と述べています。
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